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楽しげな語らいがある。 次々と増えていく高層ビルの谷間に、奇跡的に残っている、崩れそうなモルタルの建物の、1階にある、小さな焼き鳥屋の、ランチタイム前の、少し開いたガラス戸の中から、こぼれている。 藍色のもんぺをはき、頭に手ぬぐいをかぶった小柄なおばあさんが、重ねた四角い竹の籠から、次々と取り出しているのは、たぶん、朝、収穫してきたばかりの野菜や、自分で煮たかもしれないお惣菜や、もしかして、自家製の漬物や干物か。 日焼けした顔が手ぬぐいの中で笑っている。 朝早く、遠い家を出て、いまが、食事の時間なのだろうか、話をしながら箸を口に運んでいる。 そんなに楽しい話は何だろう。 横に置いた背負子の籠には、あと何が入っているのだろう。 毎朝、どこから来るのだろう。 仕事に急ぐ足を止めるわけにはいかなくて、いつも、横目で通り過ぎる。 話に加わりたくて、耳をそばだてながら通り過ぎる。
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