四季彩舎では、堀内マキコの個展「春トたまご」を開催いたします。
堀内マキコは、日本民俗学における「マレビト」の概念や、そこから派生する特撮、アニメなどのサブカルチャーに着目し、「異物との遭遇」をテーマに制作を続けています。多様化する現代社会において、他者や自身の内側に潜む「違和感」を、可愛らしさと不気味さが同居する独自の立体造形で表現してきました。
本展タイトル「春トたまご」には、舞い降りた奇跡を静かに温め、見つめ続けてきた時間が、春の訪れとともに新たな芽吹きへと変わる瞬間の感動が託されています。
これまでのメイン素材であるジェスモナイトに加え、本展ではレースや結晶といった新たな素材・表現にも挑戦しています。複雑に成長していく未来を予感させつつも、今この瞬間の清らかな芽吹きを捉えた新作群を、ぜひご高覧ください。
Artist Statement
私の表現するもの、それは「異物との遭遇」です。
「異物」とは何でしょうか。2010年以降、ネット社会がより身近になり、SNSの発達によって私たちは個々の日常や価値観を容易に発信・受信できるようになりました。それは社会の多様化を後押しする重要な基盤となりましたが、一方で「普通」という概念を希薄化させました。自身の存在や価値観の偏りに対して自覚的にならなければ、知らぬ間に他者を傷つけてしまうような、静かな緊張を孕む時代であるとも言えます。
子供が、自分とは異なる特徴を持つ生物や価値観に触れたとき、最初は「違和感」として拒絶したり、あるいは好奇心を持って観察したりしながら、経験と共にそれらを受け入れていくように、あらゆる「出会い」は本来「異物との遭遇」であるはずです。
「異物」を異物と感じることそのものが、自身の偏りや文化を再確認するきっかけであり、同時に自分自身もまた、誰かにとっての「異物」になり得ることを示しています。
「異物」は思っていたよりも近くに存在し、私たちの内側にさえ潜んでいるものです。異物同士として出会った私たちは、互いの固定観念を揺さぶり、日々新しく作り変えられていく。その生成の瞬間にある緊張や、そこから生まれる新しい関係性の可能性を忘れないために、私は形を作り続けています。
堀内マキコ
堀内マキコ Makiko Horiuchi
神奈川県出身、茨城県在住。主に立体作品を制作。
日本民俗学における「マレビト」の概念を手がかりに、特撮やアニメ、日本のサブカルチャーと接続しながら、現代における人間像やコミュニケーションの在り方を探る。
Born in Kanagawa, based in Ibaraki. Works primarily with sculpture.
Drawing on the concept of “marebito” in Japanese folklore, she explores contemporary human figures and modes of communication, connecting traditional beliefs with influences from tokusatsu, anime, and Japanese subculture.

























