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エマージング・ディレクターズ・アートフェア「ウルトラ003」

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昨年に引き続き今年もエマージング・ディレクターズ・アートフェア「ウルトラ003」に参加します。 (director-石井信) ※終了しました。

今や世界中で開催されるアートフェア。「ULTRA」は、40歳以下の若手ギャラリスト個人を出展単位とする新しい形のアートフェアです。

ギャラリーで日々実際に作家と対話し、作品の選定を行うディレクターにスポットをあて、彼らの新鮮な視点で選ばれた、まさに「いま」を切り取った現代アート作品が、多数集まります。作品を購入できるアートフェアですが、入場料はなく、展覧会と同様スパイラルガーデンのオープンスペースで、気軽に作品に触れることができ、また気になる作品についてディレクターに直接質問することも可能です。作品の購入をお考えの方だけでなく、どなたでも自由に楽しんでいただける空間です。

今回は「非現実的空間」をテーマに沼田月光・細井世思子・水野美加の3名の作家を紹介。

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沼田月光の作品は、パネルに石膏地のようなマチエールを作り、哺乳類から爬虫類、鳥や魚など多岐に渡る生き物をモチーフとしています。

彼の作品の魅力は、その躍動感に満ちた生き物の描写と、細部に到るまで徹底的に押し出されたマチエールにあります。 モチーフによっては可愛くなりすぎてしまう所を独特のアングルと、余白を生かした画面構成により魅惑的な作品へと進化させます。 今回は自身初発表となる「Antsシリーズ」としてアリの作品を中心に展示する予定です。 アリという昆虫は、サイズも小さく、主に集団行動や働き方などから日本人に例えられることがあります。 「Antsシリーズ」は正に、そんなアリと日本人をリンクさせた作品です。 それによって日本人の本質的な行動パターンや性質、考え方などが作品を通じて客観的に見えてきます。 ホワイトとブラックの絵具だけで表現される世界は、まるで「非現実的空間」と言えるでしょう。デザイン的要素、構成も重視し、生き物も人間も皆、同じ事を考え行動している事が多々あるということを表現しています。


細井世思子は新星堂の子会社「OMAGATOKI」というレコード会社から7/21に発売される、うめ吉の「雷ロック」のPVを原画、動画、編集において全て彼女が担当するなど、今後益々の活躍が期待される新人アーティストです。

彼女の作品もまた、生き物をモチーフとしています。一見すると、メルヘンチックな印象ですが、どこか少量の毒気さえ感じてしまいます。それは、鉛筆で紙を傷つけるようにして、徹底して緻密に描かれたマチエールに由来するものでしょう。 彼女の作品の多くに登場する動物たち、奥行や空間を意識した画面構成は、私たちにある種の既視感をもたらします。

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水野美加の写真作品。今回は「Maternal Light 」というコンセプトのもと、光をモチーフにした写真作品を展示。

あたたかい光で映し出された画面は、まるで母親の胎内のような印象を与えます。

3人の作家の画材や表現による「非現実」な世界観の共演をお楽しみ頂けることでしょう。

■出品作家:沼田月光・細井世思子・水野美加

■会期:オクトーバー・サイド:2010年10/28(木)-30(土) ■会場:スパイラルガーデン スパイラル 港区南青山5-6-23 03-3498-1171 ■入場料:無料 ■主催:ウルトラ実行委員会 フェアマネージャー 池内務(現場商會) 株式会社ワコールアートセンター ■企画制作:スパイラル 現場商會

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